ナースマン・Dのブログ

医療の事とか趣味の事とか・・・

COVID-19 新型コロナウイルスに関して 

文章の中ではコロナと簡略化して記載させていただきます。

 

私は看護師として救急外来・救急病棟で勤務しているので常にコロナの脅威と隣り合わせで日々戦っております。私の病院はコロナ感染者は受け入れるベッドは現時点では無く、同じ地域の同規模の病院が指定病院となっています。今後コロナ患者が増えれば私の病院も受け入れ体制を整えていくことが検討されています。今まさにコロナ患者のケアをされている方々には本当に感謝しかありません。ケアされている方々が感染しないことを願っております。

 

私の住む地域では今現在PCR検査がほとんど行われていないのが現状で、発熱患者・原因不明の肺炎患者・急な肺炎で心肺停止で運ばれる患者などコロナを疑う患者が救急外来へ運ばれ続けている状態です。ICUに入室するほど重症で医師が必要と判断した場合のみ検査していますが、検査ができるまでかなりハードルが高いようです。検査が思うようにできない状況ではコロナ患者を特定できず、感染を封じ込めることが困難になります。そこで必要なのが外出自粛になってきます。。。。

ところが外出自粛要請がされている中で『家にいたら暇だからパチンコに来た』、『まだキャンセルがかからないからとりあえず沖縄の飛行機のチケットを取った』などなんだか身勝手な考えの人間が居ることにいら立っております。

自分は大丈夫だろうと高を括ってパチンコに行ったり旅行に行っている人間は、たとえ発熱しても症状がでても、病院に来ないで家でだれにも会わずに苦しんでいてくれと思ってしまいます。あくまでも自粛”要請”なので強制力はありませんが、これだけ死者がでていて、医療従事者やライフライン関係の方など休みたくても休めない方が居る中で、ちょっとした暇も我慢できないのか。子供じゃないんだから国の要請には最大限協力すれよ。とか思ってしまいます。おそらくその人間達には何を言っても通じないのでしょう。とても残念です。

 

おそらくコロナが落ち着くまでかなりの期間を要することが考えられますが、今できることは自分が感染しないこと、感染を拡大させないことです。少しでもこの文章が身勝手な人間の行動を変える何かになれば幸いです。

afを詳しく振り返ってみる

またまた心電図についてです。

afは良く耳にするし見ることが多いでしょう。atial(心房)fibrillation(細動)です。そのままですね。心房がプルプルと震えている状態ということです。もう少し詳しく機序について説明します。

心房細動は心房内で300-600回/分というかなりの回数、無秩序に興奮が起きている状態です。心電図ではP波はギザギザと震える基線になります。これをf波といいます。この場合洞結節からの刺激は抑制されてしまいます。

ここで一つあれ?と思うことはないでしょうか。無秩序な興奮がすべて心室に伝わったら心拍数も300‐600回/分になってしまうのでは・・・。それって心室細動にもなって死んでしまうのでは・・・と考えます。

ここで重要なのは刺激伝導系の中の房室結節という部分です。房室結節は他の刺激伝導系に比べて不応期が長いという特徴を持っています。不応期の間は刺激は伝導しないため、心房でたくさんの刺激が出ていてもそこで心室への刺激の伝導を抑えてくれるのです。房室結節が不応期を脱したタイミングで心室へ興奮が伝導するので、R-R間隔は不整となります。

afは①P波が消失し細動波を認める ②R-R間隔は不整となる(絶対性不整脈という特徴を持っています。

しかし、絶対性不整脈とならない心房細動も存在します・・・。それは完全房室ブロックと心房細動が合併するとそのような心電図になります。

完全房室ブロックでは上室は無秩序に起きている刺激で興奮しますが、その刺激は心室へは伝導することが出来ません。房室結節は自動能を持っており、上室からの刺激がなければ自分で刺激を出して心室を収縮させます。つまり上室と心室はそれぞれ別々の刺激で収縮することになります。

この場合①P波が消失し細動波を認めることは変わりませんが、房室結節からの刺激で一定に心室は収縮するのでR-R間隔は一定になります。

 

少しややこしいですが、刺激伝導系を理解してじっくり心電図を読むとわかるようになってきますよ。

サイナスって当たり前にように使うけど・・・

今日は心電図について触れたいと思います。心電図モニターを見る機会がある部署にいる方であれば聞いたことのある「サイナス」という言葉。これはいったい何を表しているのでしょうか。なんとなくのイメージはあると思いますが・・・。

サイナス(sinus)とは洞結節のことを言っています。正直なところサイナスだけでは何を言っているんだろうとなりますが、サイナスと言いながら伝えたいのはNSR(Normal sinus rhythm)のことでしょう。NSRは正常洞調律のことです。

洞結節から出た刺激が正しい刺激伝導路を通って心房、心室の順に収縮させていく一貫の動作が一定のリズムで続いていることを指しています。

↓正常洞調律の波形

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刺激伝導路は心電図理解においてかなり重要です。洞結節→心房収縮→房室結節→ヒス束→右脚、左脚前枝・左脚後枝→プルキンエ線維→心室収縮という流れになります。これらの伝導路に何かしらの障害があると不整脈として現れます。(期外収縮等はまた別の不整脈にはなります。)

結構略語でイメージのまま覚えてしまっているものが多いと思いますが(特に心電図は略語=この形!みたいな覚え方が多いように思います・・・)、正しい知識を忘れないように自分もしていきたいです。

 

少しずつ不整脈にも触れていこうかと思います。

成人式というと少し身構えてしまうのだが

それはなぜかと言うと今日が救急当番だからです。おめでたいことですが、浮かれてお酒を飲みすぎて急性アルコール中毒とかになって運ばれてこないか、、、。それが心配なわけです。

ただニュースをみるとどうやら私の住む地域は昨日で成人式は終わっていたようで 、今日は今のところ穏やかです。

 

という記事を書いている途中から忙しくなり結局夜勤が明けてしまいました 。お酒の飲みすぎで救急に来る方はいなかったのでよかったです。

ただインフルエンザが多く、病床もなかなかギリギリだったので大変でした。5人のインフルエンザの方と関わったので自分の体も心配になります・・・。今のところ大丈夫そうです。

まだまだインフルエンザの脅威は続いておりますので、みなさんもお気をつけ下さい。急な発熱や感冒症状、関節痛などはインフルエンザを疑って感染拡大防止と早めの受診をお願いします。

救急外来で遭遇する急性心不全

急に呼吸が苦しくなった、胸が苦しくなった・・・という方が救急外来に救急車で運ばれてきます。身の置き所の無い様子で横になることもできません。起坐呼吸ですね。

家族さんから話を聞くとそれまで普通にしていたのに急に苦しがって・・・。と話されます。

大動脈解離や急性心筋梗塞など・・・恐ろしい病気がいろいろ頭をよぎりますが、急性心不全も考えられます。

夜間救急外来に急性心不全で搬送されてくる方で特徴的なのは起坐呼吸、全身冷汗、血圧上昇、レントゲンでは肺水腫の所見を認めます。クリニカルシナリオという心不全の分類においてはクリニカルシナリオ1という病態であることが多いです。

 

クリニカルシナリオ1は急激に発症し、主病態はびまん性肺水腫。浮腫は軽度であることが多く、左室駆出率は保たれていることが多い。

他はネットで検索してみてください。詳しく載っています。

 

血管収縮による血圧上昇が心不全の要因なので硝酸薬で血管拡張、降圧を図ります。また肺水腫に対してNPPVを使用します。体液貯留があれば利尿剤も使用します。

救急外来に来た時は一刻を争い、少しでも処置が遅れたら死んでしまう!!というような緊迫した中で治療が進みますが、血圧が下がり、NPPVもうまく効いてくると嘘のようにバイタルサイン、本人の症状は改善され、次の日には鼻カヌラで酸素投与しながらごはんも食べられるようになっています。ただ、他に腎不全等の既往を持つは治癒が遷延したり、死亡してしまうケースもあるので油断はできません。。。

 

医師がこれからどのような治療をしていくか、少しでも看護師が理解することで、処置は早くなり患者さんのためになります。NPPVの機械の使い方も当直の医師があまり知らないケースもあるので、看護師が設定の変え方等理解しておく必要があると思います。

 

色々覚えなければいけないことが多いですが、頑張らねばですね。