ナースマン・Dのブログ

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afを詳しく振り返ってみる

またまた心電図についてです。

afは良く耳にするし見ることが多いでしょう。atial(心房)fibrillation(細動)です。そのままですね。心房がプルプルと震えている状態ということです。もう少し詳しく機序について説明します。

心房細動は心房内で300-600回/分というかなりの回数、無秩序に興奮が起きている状態です。心電図ではP波はギザギザと震える基線になります。これをf波といいます。この場合洞結節からの刺激は抑制されてしまいます。

ここで一つあれ?と思うことはないでしょうか。無秩序な興奮がすべて心室に伝わったら心拍数も300‐600回/分になってしまうのでは・・・。それって心室細動にもなって死んでしまうのでは・・・と考えます。

ここで重要なのは刺激伝導系の中の房室結節という部分です。房室結節は他の刺激伝導系に比べて不応期が長いという特徴を持っています。不応期の間は刺激は伝導しないため、心房でたくさんの刺激が出ていてもそこで心室への刺激の伝導を抑えてくれるのです。房室結節が不応期を脱したタイミングで心室へ興奮が伝導するので、R-R間隔は不整となります。

afは①P波が消失し細動波を認める ②R-R間隔は不整となる(絶対性不整脈という特徴を持っています。

しかし、絶対性不整脈とならない心房細動も存在します・・・。それは完全房室ブロックと心房細動が合併するとそのような心電図になります。

完全房室ブロックでは上室は無秩序に起きている刺激で興奮しますが、その刺激は心室へは伝導することが出来ません。房室結節は自動能を持っており、上室からの刺激がなければ自分で刺激を出して心室を収縮させます。つまり上室と心室はそれぞれ別々の刺激で収縮することになります。

この場合①P波が消失し細動波を認めることは変わりませんが、房室結節からの刺激で一定に心室は収縮するのでR-R間隔は一定になります。

 

少しややこしいですが、刺激伝導系を理解してじっくり心電図を読むとわかるようになってきますよ。