ナースマン・Dのブログ

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救急外来で遭遇する急性心不全

急に呼吸が苦しくなった、胸が苦しくなった・・・という方が救急外来に救急車で運ばれてきます。身の置き所の無い様子で横になることもできません。起坐呼吸ですね。

家族さんから話を聞くとそれまで普通にしていたのに急に苦しがって・・・。と話されます。

大動脈解離や急性心筋梗塞など・・・恐ろしい病気がいろいろ頭をよぎりますが、急性心不全も考えられます。

夜間救急外来に急性心不全で搬送されてくる方で特徴的なのは起坐呼吸、全身冷汗、血圧上昇、レントゲンでは肺水腫の所見を認めます。クリニカルシナリオという心不全の分類においてはクリニカルシナリオ1という病態であることが多いです。

 

クリニカルシナリオ1は急激に発症し、主病態はびまん性肺水腫。浮腫は軽度であることが多く、左室駆出率は保たれていることが多い。

他はネットで検索してみてください。詳しく載っています。

 

血管収縮による血圧上昇が心不全の要因なので硝酸薬で血管拡張、降圧を図ります。また肺水腫に対してNPPVを使用します。体液貯留があれば利尿剤も使用します。

救急外来に来た時は一刻を争い、少しでも処置が遅れたら死んでしまう!!というような緊迫した中で治療が進みますが、血圧が下がり、NPPVもうまく効いてくると嘘のようにバイタルサイン、本人の症状は改善され、次の日には鼻カヌラで酸素投与しながらごはんも食べられるようになっています。ただ、他に腎不全等の既往を持つは治癒が遷延したり、死亡してしまうケースもあるので油断はできません。。。

 

医師がこれからどのような治療をしていくか、少しでも看護師が理解することで、処置は早くなり患者さんのためになります。NPPVの機械の使い方も当直の医師があまり知らないケースもあるので、看護師が設定の変え方等理解しておく必要があると思います。

 

色々覚えなければいけないことが多いですが、頑張らねばですね。